大賀一郎(読み)オオガイチロウ

デジタル大辞泉 「大賀一郎」の意味・読み・例文・類語

おおが‐いちろう〔おほガイチラウ〕【大賀一郎】

[1883~1965]植物学者。岡山の生まれ。昭和26年(1951)、千葉市花見川区の検見川けみがわ遺跡から約2000年前のハスの実を発掘し、発芽開花させることに成功した。→大賀蓮

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大賀一郎」の意味・わかりやすい解説

大賀一郎
おおがいちろう
(1883―1965)

植物学者。岡山県吉備(きび)町出身。1909年(明治42)東京帝国大学理科大学植物学科を卒業、大学院に進学し藤井健次郎に師事したが、まもなく第八高等学校教授に就任。中国東北地区を視察中、普蘭店(ふらんてん)の泥炭地で埋蔵500年と推定されるハスの実を採集、1917年これの発芽に成功して以来ハス研究に進み、「古ハスの果実の研究」で理学博士学位を取得した(1927)。以後、関心は、ハス糸で織ったと伝承された織物、それに関する工芸美術品の研究に及び、古文化財の自然科学的な方法による研究の先駆けとなった。1951年(昭和26)には千葉市花見川区検見川(けみがわ)町の遺跡から推定2000年前のハスの実を発掘し、発芽・開花させ「大賀ハス」の名を得た。

[佐藤七郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大賀一郎」の解説

大賀一郎 おおが-いちろう

1883-1965 明治-昭和時代の植物学者。
明治16年4月28日生まれ。八高教授,満鉄社員をへて,昭和25年関東学院大教授。26年千葉県検見川(けみがわ)遺跡で約2000年前の古代ハスの種子発見。発芽,開花に成功し「大賀ハス」とよばれた。昭和40年6月15日死去。82歳。岡山県出身。東京帝大卒。著作に「ハスと共に六十年」など。

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