大友克洋(読み)オオトモカツヒロ

デジタル大辞泉 「大友克洋」の意味・読み・例文・類語

おおとも‐かつひろ〔おほとも‐〕【大友克洋】

[1954~ ]漫画家・アニメーション作家。宮城の生まれ。緻密な描写と雄大なスケールのストーリー展開で、国内外で高い評価を得る。アニメ制作者としても活躍し、自身漫画映画化した「AKIRA」はジャパニメーションの先駆けとなった。他に「童夢どうむ」「気分はもう戦争」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大友克洋」の意味・わかりやすい解説

大友克洋
おおともかつひろ
(1954― )

漫画家。アニメ作家。映画監督宮城県生まれ。1973年(昭和48)、『漫画アクション』に『銃声』を発表しデビュー。1983年に刊行した『童夢(どうむ)』はストーリー性と抜群な描写力が評価され、日本SF大賞を受賞した。また1982年、『ヤングマガジン』に連載を開始した『AKIRA(アキラ)』は単行本ともども大ヒットし、欧米を中心に翻訳出版されている。1988年にはアニメ化された。SF世界を細密かつダイナミックな構図で描写する大友作品は、フランスのメビウス(ジャン・ジロー)に影響を受けているため、欧米人にはとくに親近感をもたれファンが多い。単行本に『ショート・ピース』『さよならにっぽん』『気分はもう戦争』『ヘンゼルとグレーテル』など。1983年、『幻魔大戦』のキャラクターデザインからアニメ制作にかかわりだし、『迷宮物語』『AKIRA』『MEMORIES(メモリーズ)』では原作、監督などを担当。アニメ『ロボットカーニバル』『老人Z』の制作にもかかわった。実写映画の監督作品に『ワールド・アパートメント・ホラー』『蟲師(むしし)』などがある。

[清水 勲]

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百科事典マイペディア 「大友克洋」の意味・わかりやすい解説

大友克洋【おおともかつひろ】

漫画家。宮城県生れ。佐沼高卒。1973年短編《銃声》(P.メリメ原作)でデビュー。リアルな人物描写と独特の構図により,〈ニュー・ウェーブ〉漫画の旗手となる。1979年近未来SF短編《Fire-Ball》を発表。翌年の長編《童夢(どうむ)》で日本SF大賞受賞。細密描写と映画的な画面展開による臨場感あふれる作風は大きな影響を与えた。核戦争後の〈ネオ東京〉を舞台に超能力少年をめぐる人びとの闘いを描いた長編《AKIRA》(1982年―1990年)は,英語版や自らの監督によるアニメ映画版も制作され,世界的な評価と人気を獲得した。他の作品に《さよならにっぽん》や《気分はもう戦争》(矢作俊彦原作)などがある。2013年紫綬褒章受章。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大友克洋」の解説

大友克洋 おおとも-かつひろ

1954- 昭和後期-平成時代の漫画家。
昭和29年4月14日生まれ。昭和48年「漫画アクション」の「銃声」でデビュー。ストーリー性のつよい精緻(せいち)な描写で「童夢」などを発表。57年から「ヤングマガジン」連載の「AKIRA」は単行本化されて大ヒット,59年講談社漫画賞を受賞。同作品は英訳もされ,63年アニメ映画化された。以後,映像監督として活躍,平成7年アニメ「MEMORIES」,16年同「スチームボーイ」を公開した。24年短編「火要鎮(ひのようじん)」で文化庁メディア芸術祭賞アニメ部門大賞。宮城県出身。佐沼高卒。

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知恵蔵mini 「大友克洋」の解説

大友克洋

日本のマンガ家、映画監督。1954年4月14日、宮城県生まれ。73年、マンガ家デビュー。80年代に発表した革新的なSF作品『童夢』『AKIRA』は、その後のマンガ界に多大な影響を与えた。87年にはアニメーション監督としてデビューし、翌88年、自らアニメ映画化した「AKIRA」は国内外で高い評価を得た。2007年には漆原友紀のマンガ作品『蟲師』で、初めて実写映画の監督を務めている。05年にフランス政府より芸術文化勲章シュバリエを、13年に日本政府より紫綬褒章を受章。

(2013-11-6)

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