多久神社(読み)たくじんじや

日本歴史地名大系 「多久神社」の解説

多久神社
たくじんじや

[現在地名]峰山町字丹波 湧田山

丹波たんばの北東端に鎮座祭神豊宇賀能命。「延喜式」神名帳にみえる丹波郡多久神社に比定される。「丹哥府志」は「多久神社今天酒あまさけ大明神といふ」と記す。「丹後国風土記」逸文にみえる比治山天女伝説につながる神を祀る神社である。旧村社。

現鎮座地の山続き四町ばかりの所にヲク地という所があり、このヲク地を汚すとたちまち大雨が降るという伝承がある。ここが旧鎮座地で田畑を開くため現在地に移したと伝える。

当社祭礼の日に「芝むくり」の行事が伝わる。

多久神社
たくじんじや

[現在地名]多久市多久町 西の原

梶峰かじみね山の北山麓にある。西側が若宮わかみや八幡宮で、境内が続地となっている。旧名は梶峰神社。弘化元年(一八四四)多久一一代領主茂族が建立。祭神は剛賢明神(水ヶ江竜造寺氏の祖山城守家兼)・天理明神(竜造寺長信)・天叟明神(多久安順)で、後の多久氏の宗廟とした。明治一八年(一八八五)茂族、大正五年(一九一六)茂文を合祀している。旧村社。

丹邱邑誌」に「梶峰明神」として「境内山林一町除地、神領高三十七石五斗、祭料現米二石、大祭三月二十二日、邑内ノ神主衆会、神楽ヲ発シ、家臣奉射ヲ行ヒ、家老・用人等列席ス。社前路ノ左右下馬牌ヲ建」と記す。

昭和二六年(一九五一)西南の役以後の戦死者一五五柱を祭神に加え、戦没者は逐次合祀することに定めて多久神社と改められた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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