壁立（読み）かきたつ

精選版 日本国語大辞典

かき‐た・つ【壁立】

〘自タ四〙 壁のように立つ。遠い地平線のはてに、空が壁の立つように直立して見えるさまをいう。

※延喜式（927）祝詞・祈年祭「天の壁立つ極み」

[補注]「壁」の読み方は、「観智院本名義抄」に「壁 カキ」とあるなどによる。

へき‐りゅう ‥リフ【壁立】

〘名〙 巨岩、断崖などが壁のように切り立ってそびえていること。へきりつ。

※御伽草子・鴉鷺合戦物語（室町中）「峰は半天の雲をさしはさみ、谷は壁立万仭也」 〔日葡辞書（1603‐04）〕 〔呉志‐賀斉伝〕

へき‐りつ【壁立】

〘名〙 ＝へきりゅう（壁立）〔広益熟字典（1874）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【壁立】へきりつ

垂直。また、壁のみの貧家。〔史記、司馬相如伝〕相如乃ち（卓）君の侍に重賜して、殷(いんぎん)をぜしむ。君、夜(に)げて相如に(はし)る。相如乃ち與(とも)に馳せて、に歸る。家居、徒(た)だ四壁立つのみ。

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出典　平凡社「普及版 字通」