増上縁(読み)ゾウジョウエン

デジタル大辞泉 「増上縁」の意味・読み・例文・類語

ぞうじょう‐えん〔ゾウジヤウ‐〕【増上縁】

仏語
他のものが果として生じるときの間接的原因と、生じることを妨げないすべてのもの。因縁等無間縁とうむけんえん所縁縁しょえんねんとともに四縁の一。
浄土教で、三縁の一。名号を唱えれば、罪障が消滅し、臨終のときには必ず阿弥陀仏来迎らいごうし、往生できること。

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精選版 日本国語大辞典 「増上縁」の意味・読み・例文・類語

ぞうじょう‐えん ゾウジャウ‥【増上縁】

〘名〙 仏語。
倶舎論に説く四縁の一つ。他のものの働きを助長進展させる縁。
※即身成仏義(823‐824頃)「三密金剛以為増上縁
中国、唐の善導の説いた浄土門の三縁の一つ。阿彌陀仏本願の力をいう。阿彌陀如来の名号を称念することにより、罪障消滅し、臨終の来迎(らいごう)に報いられるとする阿彌陀如来の本願。
教行信証(1224)二「一切善悪凡夫得生者、莫皆乗阿彌陀仏大願業力増上縁也」
仮名草子竹斎(1624‐44頃)下「この御寺山号寺号は、忝なくも善導大師の親縁近縁、ぞうじゃうゑんの心なるべし」

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