堀口由己(読み)ほりぐちよしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「堀口由己」の意味・わかりやすい解説

堀口由己
ほりぐちよしき
(1885―1959)

気象学者。岐阜県の生まれ。1911年(明治44)東京帝国大学を卒業。津測候所および神戸測候所の所長を歴任し、1939年(昭和14)岡田武松の後を継いで神戸海洋気象台台長となった。台風論の権威者で、1924年(大正13)8月、約10日間沖縄付近を彷徨(ほうこう)したいわゆる沖縄台風について詳細に研究し、以後、台風について一連論文を発表した。のちにこれを『極東颱風(たいふう)論』にまとめ、この業績により1929年学士院賞を受賞した。第二次世界大戦中は昭南シンガポール)軍政監部付となり、気象局長として南方の気象業務を指導した。

根本順吉

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