地黄(読み)ジオウ

デジタル大辞泉 「地黄」の意味・読み・例文・類語

じ‐おう〔ヂワウ〕【地黄】

ハマウツボ科多年草。中国原産。地下茎は太く赤褐色で、横にはう。葉は長楕円形で、根際から出る。初夏、15~30センチの茎を出し、淡紅紫色の大きい花を数個開く。地下茎を漢方で強壮薬にする。佐保姫さほひめ
地黄丸」の略。
地黄煎」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「地黄」の意味・読み・例文・類語

じ‐おう ヂワウ【地黄】

〘名〙
ゴマノハグサ科の多年草。中国北部原産で、日本では古くから栽培されている。高さ約三〇センチメートル。全体に粘りけのある細毛が密生。根茎は肥大し赤褐色。葉は根ぎわに群生。葉身は長さ五~二〇センチメートルの長楕円形でしわがあり、縁にあらく鈍い鋸歯(きょし)がある。初夏、葉間からのびた花茎の頂に淡紅色で先が五裂した筒状の花が咲く。根は漢方で地黄といい、補血強壮薬に使われる。近縁種シロヤジオウがある。あかやじおう。さおひめ。〔十巻本和名抄(934頃)〕 〔爾雅‐釈草〕
※浮世草子・色里三所世帯(1688)下「やうやう地黄(ヂワウ)の力にて一あし二あしの用事をかなへ」
三代実録‐貞観二年(860)一二月二九日「嘗出禁中、向地黄煎之処〈略〉虎主答云、奉天皇命、向地黄処

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百科事典マイペディア 「地黄」の意味・わかりやすい解説

地黄【じおう】

アカヤジオウの根を乾燥したもので,漢方では補血・強壮・止血剤とする。アカヤジオウは中国原産のゴマノハグサ科の多年草。根は淡黄色で,長く地中をはい,茎は高さ約30cm。初夏,茎の先に数個の紅紫色の筒状花をつける。根が肥大した品種カイケイジオウがある。なお近縁のシロヤジオウ,ハナジオウ(センリゴマとも)は薬用とはしない。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「地黄」の解説

地黄 (ジオウ)

学名Rehmannia glutinosa
植物。ゴマノハグサ科の多年草,園芸植物,薬用植物

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