地御前神社(読み)じごぜんじんじや

日本歴史地名大系 「地御前神社」の解説

地御前神社
じごぜんじんじや

[現在地名]廿日市町地御前

厳島対岸の海浜にあり、明神みようじん山の社叢を背にして鎮座。厳島神社の外宮で、同社の摂社。祭神および創建年代はいずれも厳島神社と同じで、伊都岐島姫命を祭神とし、「推古天皇端正五年」の創建と伝える。初め外宮社と称し、後に地方にあることから御前ごぜ社・地御前神社とよばれるようになった。「厳島道芝記」はある説として、祭神を天照大神・吾勝尊とし、いずれも地の神を祀るので地の御前と称したとする。もとは斎き祀る島として厳島が崇められた時代に、その遥拝所であったと考えられる。その後厳島神社が平氏信仰を得て興隆するとともに、当社はその外宮として発展した。

仁安三年(一一六八)一一月日付の伊都岐島社神主佐伯景弘(「史料通信叢誌」第壱編厳島誌所収文書)によれば、佐伯景弘が国司重任遷任の功を募り、厳島本宮および外宮の造営太政官に申請している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の地御前神社の言及

【厳島神社】より

…中世末に本宮棚守職の棚守房顕が大内・毛利氏と結んで権勢を持ち,供僧を率い弥山(みせん)を管理した大聖院や社殿の修理造営権を握った大願寺とともに近世まで神社の諸事を統轄した。祭礼は春秋の例祭のほか,旧6月17日夜対岸の地御前(じごぜん)神社(外宮)に渡御する管絃祭,旧7月18日の玉取祭などがある。また平安時代以来の舞楽が奉納され,お島巡り(お烏喰(おとぐい))式も伝存する。…

※「地御前神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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