地域住民が地元生産者の生産物を買い支える農業の仕組み。アメリカで1980年代なかばごろに始まった地産地消モデルで、略称CSA。地域の生産者と消費者が、農作物の種類、量、価格、分配方法などについて取り決めをして代金前払い契約を結ぶ。生産者は事前に収入を得ることで借り入れをすることなく機械の導入や雇用の確保などができ、計画的でむだのない農業経営が可能になる。一方、消費者は「生産者の顔がみえる」新鮮で安心な農産物を安定的に購入することができる。また、希望に応じて種まきや収穫などに参加できるプログラムもあり、子供の食育の場にすることもできる。天候不順などで不作となり、特定の農作物について収穫が極端に減少することもあるが、そのリスクは生産者だけでなく消費者も分かち合うことになる。
日本で行われている例としては、宮城県大崎市の「鳴子(なるこ)の米プロジェクト」がある。山間部で冷涼な気候の鳴子温泉地域での生産に適した品種が開発されたことをきっかけに、2006年(平成18)から地元の温泉旅館や住民を中心とした消費者が地元産米を買い支える活動が始まった。消費者は事前に60キログラムの米に対して2万4000円を支払い、米生産者は1万8000円を受け取る。残りの6000円は事務や交流事業の経費、若者就農支援事業などに活用されている。
[編集部]
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