景気の変動に対応して企業が保有する在庫量を増減する行動であるが、とくに景気下降に直面した在庫削減をさす場合が多い。すなわち、景気が悪くなると売れ残りが出るため、卸し・小売りの流通業者における流通在庫が増えてくる。すると彼らは、値引き、バーゲン・セールなどで販売を促進する一方、返品、発注の削減なども行って流通在庫の減少を図る。これは生産業者の製品在庫の増大を招くので、これを調整するため、仕掛(しかかり)品(生産工程途中の品)や原材料在庫の削減が行われる。こうして、流通在庫→製品在庫→原材料在庫と在庫調整が進むが、景気がさらに下降すると、各在庫の目標とする適正水準がさらに低下するから、よりいっそうの在庫削減が行われる。しかし自由経済では、こうした在庫調整が各企業ごとに行われるから、往々にして行きすぎて過剰調整になってしまう場合が多い。やがてマクロ的な適正在庫水準以下になったことに企業が気づくと、流通在庫の積み増しが始まり、ひいては生産増加となって、景気は上昇に向かう。在庫調整はこのように、売れ残りによる在庫増大→在庫削減→過剰削減→在庫積み増し、という段階をたどって一巡する。
[一杉哲也]
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