日本歴史地名大系 「因幡国府跡」の解説
因幡国府跡
いなばこくふあと
国府の設置時期は不明だが、「続日本紀」文武天皇四年(七〇〇)八月二二日条に「因幡守勤大壱船連秦勝」が善政を賞され三〇戸を封されたとある。天平宝字二年(七五八)には従五位上大伴宿禰家持が因幡守に補されており(同書)、「万葉集」巻二〇には翌年元旦、国庁で催された新年の賀宴でよまれたといわれる家持の「あたらしきとしのはじめのはつはるのけふふるゆきのいやしけよごと」の歌が収められている。「続日本後紀」嘉祥元年(八四八)七月二七日条によれば国府の西で火災が発生、「府舎」も焼失しそうになったが、国司が祈請したところ速やかに「風軽火滅」したという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報