善太と三平(読み)ぜんたとさんぺい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「善太と三平」の意味・わかりやすい解説

善太と三平
ぜんたとさんぺい

坪田譲治(つぼたじょうじ)の小説童話主人公。1934年(昭和9)に発表された『すずめとかに』『ひまわり』『けしの花』など、いわゆる「善太と三平もの」といわれる一連作品に、純真で健康的な兄弟として登場するが、単に童心を描くだけではなく、「子供らしさ」を生きたイメージとして典型的に描き出したといえる。小説『お化け世界』(1935)、『風の中の子供』(1936)、『子供の四季』(1938)の三部作では、善太と三平が社会との関連のなかでとらえられている。

[征矢 清]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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