(読み)シン

デジタル大辞泉 「呻」の意味・読み・例文・類語

しん【呻】[漢字項目]

[音]シン(呉)(漢)
うめく。うなる。「呻吟

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「呻」の意味・読み・例文・類語

う‐め・く【呻】

〘自カ五(四)〙
嘆息の声をあげる。ためいきをつく。
※枕(10C終)七四「『あな』と高やかにうちいひ、うめきたるも」
② 苦心して詩歌を作り出す。苦吟する。
※枕(10C終)八七「をかしうよみ出でて、人にも語り伝へさせんとうめき誦(ずん)じつる歌も」
③ 牛や犬などが低くうなる。
今昔(1120頃か)二六「狗(いぬ)か何ぞと思ゆる者の声にてうめく音(こゑ)聞ゆ」
大声を出す。苦痛などでうんうんうなる。わめく。
御伽草子・福富長者物語(室町末)「いと黒きゐどころ引上られてうめくを」
金銀が多く蓄えられている。多く「うめくほど」という形で使われる。うなる。
※浮世草子・好色五人女(1686)五「蔵ひらきせしに判金弐百枚入の書付の箱六百五十〈略〉下よりうめく事すさまじ」
浄瑠璃・女殺油地獄(1721)下「中にうめく程かね入て置た」
[語誌](1)「めく」は「…のようになる」の意を表わす動詞を作る接尾語で、「う」は、人間が苦しみのあまりに出す声や、動物の低い鳴き声などを表わす擬声語と考えられる。
(2)「伊京集」に「 ウメク ニヨウ キ ウナル ウメク ギン 同吟」とあり、「うなる」や「によう(ふ)」と類義的な関係にあったことが知られる。

うめき【呻】

〘名〙 (動詞「うめく(呻)」の連用形名詞化) うめくこと。うなること。
蜻蛉(974頃)下「それはしも、うめきもきこえてん、かしく」

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