吉野[町](読み)よしの

百科事典マイペディア 「吉野[町]」の意味・わかりやすい解説

吉野[町]【よしの】

奈良県中部,吉野郡の町。吉野川中流に臨む中心の上市は古くから市場町として発達し今も郡の商業の中心。吉野スギなどの木材集散地製材業も盛ん。吉野川にアユを産する。近鉄吉野線が通じ,南部に吉野山がある。2004年紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産条約の文化遺産リストに登録された(吉野山,吉野水分神社,金峯神社,金峯山寺,吉水神社,大峰山寺,大峯奥駈道)。95.65km2。8642人(2010)。
→関連項目光明天皇

吉野[町]【よしの】

徳島県北東部,板野郡の旧町。吉野川下流北岸の扇状地を占める。主集落は西条(さいじょう)。米麦作を中心に,酪農養蚕などを営む。近年,レタス栽培も盛ん。2005年4月板野郡土成町,阿波郡市場町,阿波町と合併し市制阿波市となる。13.32km2。8841人(2003)。

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世界大百科事典 第2版 「吉野[町]」の意味・わかりやすい解説

よしの【吉野[町]】

奈良県中央部,吉野郡の町。人口1万2427(1995)。吉野川中流域にあり,川沿いに中央構造線が走り,北岸は内帯,南岸は外帯で,地体構造上も重要な地である。左岸の吉野は南朝の史跡や桜で知られる吉野山(史・名)を主とする観光地。右岸の上市は市場町として発展した観光・交通の拠点で,とくに吉野杉をはじめとする木材の集散地として製材業が発達した。上市より上流にある国栖(くず)は,古くから吉野和紙(奈良紙)の生産で有名。

よしの【吉野[町]】

徳島県北東部,板野郡の町。人口8665(1995)。徳島平野中央部,吉野川北岸にあり,宮川内谷(みやごうちだに)川と九頭宇谷(くずうだに)川によって形成された複合扇状地と吉野川の沖積低地からなる。中心集落の西条は吉野川北岸を東西に走る八幡(やわた街道に沿い,その町口には西条城跡がある。天文年間(1532‐55)には細川氏の家臣岡本氏の居城で,1585年(天正13)入国した蜂須賀家政によって讃岐方面防衛の任を与えられ,阿波九城の一つに数えられた。

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