吉備中央(読み)きびちゅうおう

改訂新版 世界大百科事典 「吉備中央」の意味・わかりやすい解説

吉備中央[町] (きびちゅうおう)

岡山県中央部,加賀郡の町。2004年10月加茂川(かもがわ)町と賀陽(かよう)町が合体して成立した。人口1万3033(2010)。

吉備中央町北東部の旧町。旧御津(みつ)郡所属。人口6199(2000)。旭川支流の宇甘川上流に位置し,町域は標高350m前後の吉備高原の一角を占め,東部に残丘地形の本宮山がある。本宮山付近の平たん面をはじめ町内の開発は第2次大戦後の開拓によるものが多い。耕地は複雑な地形のため段々畑が顕著であるが,近年圃場整備が進められている。高冷地野菜,タバコ,桃の栽培,酪農が行われる。加茂市場はかつての高原の定期市開催地で,また加茂総社宮があり,10月に行われる加茂大祭は有名。旭川の支流豊岡川沿いに小森温泉(単純泉,29℃)がある。

吉備中央町南西部の旧町。旧上房郡所属。1955年,5村が合体,古代の吉備国賀夜(賀陽)郡にちなんで賀陽町とする。人口8452(2000)。町域の大部分は吉備高原の隆起準平原で,町界付近に佐与谷,豪渓などの浸食谷が発達する。大平山,大和山などの連山は旭・高梁川両水系の分水嶺をなす。岡山自動車道のインターチェンジがある。農業基幹産業で,低地では米作,高原ではタバコ栽培や野菜の抑制栽培,酪農が行われる。アカマツ自然林が豊富でマツタケ産地としても知られる。町域南端の豪渓は国の名勝に指定された景勝地吉川にある吉川八幡宮本殿は重要文化財,当番祭は重要民俗資料に指定されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android