受動的服従(読み)じゅどうてきふくじゅう(英語表記)passive obedience

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「受動的服従」の意味・わかりやすい解説

受動的服従
じゅどうてきふくじゅう
passive obedience

現世におけるキリスト教徒の政治的態度特質をいう。元来キリスト教徒にとっての第一の関心事彼岸,すなわち内面の問題であって現世の問題である政治生活は関心の外にあった。したがって,その宗教的発展によって政治権力とかかわらざるをえなくなったときも,それに対立するのではなく「神によらない権威はない」 (ローマ人への手紙第 13章) として現存秩序をそのまま受入れる態度をとった。それは政治権力が価値をもつからではなく,価値が見出されないからこそ関心をもたずに服従するというものだった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android