参賛大臣(読み)さんさんだいじん(英語表記)can-zan da-chen; ts`an-tsan ta-chên

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「参賛大臣」の意味・わかりやすい解説

参賛大臣
さんさんだいじん
can-zan da-chen; ts`an-tsan ta-chên

中国,清朝外モンゴル新疆に派遣され,将軍もと軍務を議する行政官。外モンゴルにはウリヤスタイ (烏里雅蘇台) 参賛大臣とコブト (科布多) 参賛大臣があってウリヤスタイ将軍を補佐し,新疆はタルバガダイ (塔爾巴哈台) 参賛大臣,カシュガル (喀什 噶爾) 参賛大臣,イリ (伊犂) 参賛大臣,ヤルカンド (葉爾羌) 参賛大臣 (道光 11〈1831〉年以後) などがあり,イリ将軍を補佐した。その設置や名称には変化があり,また同治5 (66) 年のイスラム教徒反乱によって新疆の参賛大臣は赴任しない場合もあった。さらに光緒 10 (84) 年の新疆省設置により,新疆の参賛大臣の多くは廃止された。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「参賛大臣」の解説

参賛大臣(さんさんだいじん)

清朝が藩部統治のために設置した地方官八旗に所属する官僚から任命された。外モンゴルを統轄するウリヤスタイ将軍のもと,コプト参賛大臣はモンゴル西部の軍政を担当した。新疆(しんきょう)を統轄するイリ将軍のもと,イリ参賛大臣は将軍を補佐し,タルバガタイ参賛大臣は当該地の軍政を担当し,カシュガル参賛大臣は天山南路の8オアシスを管轄した。

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