勧・奨・薦(読み)すすめる

精選版 日本国語大辞典 「勧・奨・薦」の意味・読み・例文・類語

すす・める【勧・奨・薦】

〘他マ下一〙 すす・む 〘他マ下二〙 (「進める」と同語源)
① そうするように、人を誘い促す。勧誘する。
※地蔵十輪経元慶七年点(883)一「有情に増上の慙愧を発せといふことを勧(ススメ)たまひ」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)立石寺「一見すべきよし人人のすすむるに依て」
② その事が盛んになるように励ます。奨励する。
今昔(1120)一三「本国に返て、吉く善を勧め悪を止めて衆生を利益せよ」
徒然草(1331頃)一四二「上のおごりつひやす所をやめ、民をなで農をすすめば」
気力を出すように励ます。
平家(13C前)九「木曾殿、『われをすすむる自害にこそ』とて、やがてうったちけり」
④ 飲食物を出してそれを飲食するように促す。また、座ぶとんや腰掛けを利用するように促す。
源氏(1001‐14頃)行幸「御かはらけなどすすめ、まゐり給ふ」
※はやり唄(1902)〈小杉天外〉一三「『まア、何卒此れへ』と雪江は椅子を侑(スス)める」
⑤ (薦) よいと思う人や物を、採用するように人に説く。推薦する。推挙する。
書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓)「中臣の鎌子連、佐伯連子麻呂、葛木の稚犬養連網田を中大兄に挙(ススメ)て曰く」

すす・む【勧・奨・薦】

〘他マ下二〙 ⇒すすめる(勧)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android