初参（読み）ショサン

デジタル大辞泉

しょ‐さん【初参】

初めて仕えること。また、初めて参加すること。新参。
「これ二人共に…―の儀なるが故なり」〈折たく柴の記・上〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しょ‐さん【初参】

〘名〙

① 初めて、その神仏に参詣すること。

※車屋本謡曲・春日龍神（1465頃）「聖人当社初参の御時、奈良坂の此手を合せて礼拝する、人間は申すに及ばず心なき」

② 新たに仕えること。しんまい。新参(しんざん)。ういざん。

※台記‐康治二年（1143）六月三〇日「為義〈略〉未_レ称_レ臣_二于余_一〈略〉所_二傭具_一也。帰_レ家仰_二為義_一伝〈略〉今日吉日也。以_レ之可_レ用_二初参_一」

③ 初めて儀式などに参加すること。

※小右記‐治安元年（1021）八月七日「公卿初着陣日反拝歟、先例如何伝乎〈略〉公卿初参時反閇不_レ聞事也」

うい‐ざん うひ‥【初参】

〘名〙 平安時代以来、主従関係を結ぶにあたって、従臣となるものが、初めて主人にまみえること。また、その儀式。

※台記‐康治二年（1143）六月三〇日「今日吉日也、以_レ之可_レ用_二初参_一、更不_レ可_二初参_一者、為義曰唯」

はつ‐まいり ‥まゐり【初参】

〘名〙 ＝はつもうで（初詣）《季・新年》

※朝野新聞‐明治二二年（1889）一月二日「深川は成田山不動明王へ初参(ハツマヰ)りの」

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

初参 (しょさん)

中世武家社会においてはじめて見参（げんざん）すること。新たに家臣として仕えること。〈ういざん〉ともよむ。中世前期，武士は直接主君に謁見して臣従の契約をしたが，はじめての礼をとること，またその者をさす。いままいり，しんいり，新参者の意味にも用いる。《看聞日記》永享3年（1431）2月17日条に〈召次光夜叉小冠初参，父光若相具参構見参〉，同年3月18日条に〈伯少将定兼初参，有奉公之志之由申〉等の用例がある。
執筆者：五味 克夫

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

初参
ういざん

平安，鎌倉時代，主従関係を結ぶために，従者となる者が初めて主君に見参する儀式。鎌倉幕府の場合は，将軍に名簿 (みょうぶ) を提出して見参に入り，所領安堵を得て御家人となるのが通例であった。しかしのちに鎌倉幕府の支配圏が拡大すると初参をしないで御家人になる者も現れた。

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世界大百科事典（旧版）内の初参の言及

【初参】より

…いままいり，しんいり，新参者の意味にも用いる。《看聞日記》永享3年(1431)2月17日条に〈召次光夜叉小冠初参，父光若相具参構見参〉，同年3月18日条に〈伯少将定兼初参，有奉公之志之由申〉等の用例がある。【五味 克夫】。…

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