切崩(読み)きりくずす

精選版 日本国語大辞典 「切崩」の意味・読み・例文・類語

きり‐くず・す ‥くづす【切崩】

〘他サ五(四)〙
① 切り削って、低くする。切ってもとの形をこわす。
※天草本伊曾保(1593)山と、杣人の事「ヤマ、ハヤシヲ コトゴトク qiricuzzusuni(キリクヅスニ) ヨッテ」
② 切り込んで敵の防備をくずす。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 対立する相手側の一部の人々を味方に引き入れるなどして、反対派団結をくずし、その勢力を弱める。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉四二「チーフメーツはボースンから切り崩して行かうと咄嗟に考へついた」

きり‐くずし ‥くづし【切崩】

〘名〙
① 切り削ること。切ってくずすこと。特に、道を通す目的などで、山や丘を切ってくずすこと。
※裸の教師(1967)〈水野茂一〉「いよいよ切崩しが一番高いところ(五、六メートル)にかかった」
② 切り込んで敵の防備をくずすこと。特に、反対派の人々を自分の方に引き入れて、その力を弱めること。
不在地主(1929)〈小林多喜二〉一〇「武田が吉本管理人と相談し合って、小作人の切り崩しをやってゐる噂が入ってゐた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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