凌(漢字)

普及版 字通 「凌(漢字)」の読み・字形・画数・意味


11画

(異体字)凌
人名用漢字 10画

[字音] リョウ
[字訓] しのぐ・のりこえる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(りよう)。〔説文〕十一上に水名とするが、水波に乗じてこれを超えることをいう。陸には陵といい、水にはという。

[訓義]
1. しのぐ、波にのる、波にのってこえる、のりこえる、わけゆく。
2. と通じ、おそれる。

[古辞書の訓]
名義抄 シノグ・シヘタク・ヲカス・オソロシ・ワタル・シリゾク・コハシ・ミササキ・ノボル・ハシワタス

[語系]
・陵lingは同声。陵にliong、陸liukの意があり、水の高まりに乗ることをという。語彙は凌字条参照。

[熟語]

[下接語]
・蹙・渉・凍・忍・氷


人名用漢字 10画

(異体字)
14画

[字音] リョウ
[字訓] ひむろ・しのぐ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(りよう)。〔説文〕十一下に正字をに作り、「(冰)出づるなり。に從ひ、(よう)聲」とし、〔詩、風、七月〕の「陰(りようあん)に(い)る」の句を引く。声とするも声が合わず、は盤(舟)中にものを納れて奉ずる形であるから、字は氷を献ずる形。はおそらく陵の省文で、そこに氷室を設けたのであろう。〔左伝、昭四年〕に蔵冰の法をしるし、「古(いにしへ)は日、北陸に在りて冰を西陸にす。~其の冰をするや、深山窮谷、固陰沍(ごかん)、是(ここ)に於てか之れを取る。~其の之れを出だすや、桃棘矢(きよくし)、以て其の災を除く」とあり、深山窮谷の氷を用いた。

[訓義]
1. ひむろ、ひむろのこおり、こおり、あつごおり。
2. と通じ、しのぐ、こえる、おかす。
3. (りよう)と通じ、おそれる、おののく。
4. 陵と通じ、のる、のぼる、わたる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕凌 ハゲシ・コホリ 〔字鏡集〕凌 コホリ・ヒムロ・ハゲシ

[語系]
凌ling、涼liangは声近く、冷lengもまた同系の語。みな冷涼の意がある。

[熟語]
凌陰凌夷・凌雲・凌越・凌煙凌架凌駕・凌壊・凌寒凌虐・凌虚凌兢・凌暁・凌空・凌江凌忽・凌挫・凌雑・凌・凌室凌霄・凌上凌擾凌辱凌晨・凌侵・凌・凌折凌僭・凌替凌旦・凌遅・凌天・凌凌濤・凌突・凌波・凌犯・凌凌侮・凌風・凌蔑凌慢・凌乱・凌・凌凌轢・凌凌冽
[下接語]
鑿凌・侵凌・践凌・打凌・冰凌

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報