光形態形成(こうけいたいけいせい)(読み)こうけいたいけいせい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

光形態形成(こうけいたいけいせい)
こうけいたいけいせい

植物が発生・分化の過程で、環境の光条件によって調節を受ける現象をいう。

 下等植物から高等植物に至るまで普遍的にみられ、細胞分裂の時期や方向、細胞分化光発芽種子胞子発芽子葉の展開、茎の成長、開花などが光の調節を受ける。

 植物は赤色光―遠赤色光と青色光―近紫外光の二つの波長域で光の情報を感知する受容システムをもっている。前者フィトクロムであり、後者クリプトクロムフォトトロピンである。フィトクロムが関与する反応では、ごくわずかな光エネルギーを単発的に受けておこる引き金反応(超低光量反応と低光量反応)と連続的な長時間照射を必要とする高エネルギー反応とがある。前者は短時間の赤色光と遠赤色光の照射を交互に行って可逆的に制御できる反応である。

[勝見允行]

『佐藤公行・和田正三編『シリーズ・光が拓く生命科学3 生命を支える光』(2000・共立出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例