佐々布郷(読み)さそうごう

日本歴史地名大系 「佐々布郷」の解説

佐々布郷
さそうごう

現佐々布地域に比定される。国衙領。文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳写(出雲国造系譜考)の二番に「佐々布郷 弐拾町弐段半 佐々布左衛門入道子」とみえる。佐々布氏はおそらく出雲国衙の在庁官人などに出自する有力者で、古代の宍道郷のうち佐々布川周辺地域を開発、出雲国衙から領有権を認められ、鎌倉時代に地頭に任じられたものと考えられる。佐々布氏は南北朝期においても引続き勢力を保持したようで、足利尊氏方の武将として越後・大和・河内美濃などの諸国を転戦し(建武四年三月日「諏訪部信恵軍忠状」三刀屋文書、同年一〇月二三日「伊藤義明軍忠状」閥閲録、同五年三月三日「諏訪部信恵軍忠目安状」三刀屋文書など)、また貞和二年(一三四六)頃には備後国の守護代としても活躍している(同年一二月二一日「高師泰書下案」備後浄土寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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