住吉造(読み)スミヨシヅクリ

デジタル大辞泉 「住吉造」の意味・読み・例文・類語

すみよし‐づくり【住吉造(り)】

神社本殿形式の一。切妻造り妻入りで、屋根は反りがなく、棟に千木ちぎ鰹木かつおぎを置く。内部は二室に分かれ、それぞれ正面板扉を設ける。住吉大社本殿が代表例。

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精選版 日本国語大辞典 「住吉造」の意味・読み・例文・類語

すみよし‐づくり【住吉造】

〘名〙 神社本殿形式の一つ。屋根に反りがなく、切妻造りの妻を正面とし、内部が二室になっているもの。大阪市住吉の住吉大社の本殿はその例。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「住吉造」の意味・わかりやすい解説

住吉造
すみよしづくり

神社本殿建築の形式の一つ。切妻(きりづま)造、妻入(つまいり)で、正面二間、側面四間と奥行が深く、内部は中央で仕切り、後部内陣(ないじん)、前部外陣(げじん)に分ける。正面に階段がつくだけで周囲に縁が巡らず、素朴な外観をみせるが、柱は朱塗り、壁は胡粉(ごふん)塗りの横板壁で色彩対比が鮮やかである。棟の両端は現在鬼板を飾り、棟上の鰹木(かつおぎ)は角形となり珍しいが、千木(ちぎ)も置千木となり古式が失われている。大阪・住吉大社本殿(国宝)が代表的で、類例は少ない。

[工藤圭章]


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百科事典マイペディア 「住吉造」の意味・わかりやすい解説

住吉造【すみよしづくり】

大阪の住吉大社本殿に代表される神社建築の一形式。桁行(けたゆき)4間,梁間(はりま)2間で,切妻屋根に千木(ちぎ)と5本の堅魚木(かつおぎ)を置く。妻のある方を正面とし,前半部を外陣,後半部を内陣とする。直線的構造特徴

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「住吉造」の意味・わかりやすい解説

住吉造
すみよしづくり

神社本殿の一形式。屋根は切妻造でそりがなく,妻入り。棟に千木堅魚木 (かつおぎ) を置く。前を外陣,うしろを内陣とし,正面に木階がかけてある。大阪の住吉大社の本殿がその代表的建築。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「住吉造」の解説

住吉造
すみよしづくり

神社建築(じんじゃけんちく)

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世界大百科事典(旧版)内の住吉造の言及

【神社建築】より

…この伊勢神宮の7,8世紀における発展が他の神社の制度や運営に大きな影響を与えたのであって,いくつかの本殿形式の成立もまた,神宮正殿の影響を考えずには理解できないのである。式年造替
【神社本殿の諸形式】
 先に掲げた分類表が示すように,流造,春日造を除く本殿形式として大社造,住吉造,八幡造,日吉造などがあるが,これらの数はきわめて少ない。これらの形式はある特定の神社に固有の形式であって,同じ祭神が他の場所に勧請されたときにその本殿形式が再現される場合を除くと,一般に形式の伝播という現象はなかったと考えてよいであろう。…

【住吉大社】より

…各殿をめぐる瑞垣(みずがき)や玉垣の形も古風である。住吉大社に用いられたこの形式を住吉造とよぶ。その平面や立面が大嘗宮正殿と類似している点は注意される。…

※「住吉造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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