伊志見郷(読み)いじみごう

日本歴史地名大系 「伊志見郷」の解説

伊志見郷
いじみごう

現伊志見地域にあった杵築大社(出雲大社)の所領。伊志見村ともいう。康元元年(一二五六)一二月日の杵築大社領注進状(北島家文書)に、杵築大社領の一つとして「伊志見村捌町参段百捌十歩」とみえ、神田四段二一〇歩・彼岸田五段の除田と定田七町三段三〇〇歩であった。建武三年(一三三六)の佐草自清旧記写(千家家文書)によると、伊志見村は安貞二年(一二二八)八月二五日に鎌倉幕府から杵築大社(国造政孝)に寄進されたという。出雲国衙の在庁官人などに出自する有力者で、古代宍道郷の一部を開発するなどして伊志見村の領有を認められた領主承久の乱で没落し、その際幕府に没収され改めて杵築大社に寄進されたのであろう。杵築大社領一二郷の一つとなった伊志見村は、文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳をはじめとして、以後もっぱら伊志見郷の名でよばれるようになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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