仏越戦争(読み)ふつえつせんそう(英語表記)Franco-Vietnamese War

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仏越戦争」の意味・わかりやすい解説

仏越戦争
ふつえつせんそう
Franco-Vietnamese War

19世紀後半,ベトナムに対するフランス侵略戦争。 1858年ベトナムにおける宣教師迫害を口実ナポレオン3世は遠征軍を派遣し,62年のサイゴン条約によって,キリスト教布教の自由,コーチシナ東部3省とサイゴンのフランスへの割譲が決定された。 73年にはハノイ占領,翌 74年にホン川での通商,ハノイとハイフォンのフランス軍駐留などを認めた第2次サイゴン条約が締結された。その後フランスの監督官アルマンと阮朝が締結したアルマン条約 (1883) によって,ベトナム全土に対するフランスの保護権が確立した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「仏越戦争」の解説

仏越戦争
ふつえつせんそう

1858〜84
フランスがインドシナ植民地獲得のために起こした戦争。フランス−ヴェトナム戦争ともいう
阮朝によるスペイン人宣教師殺害事件を機に,1858年フランス・スペイン連合軍がサイゴンを占領し,62年のサイゴン条約でコーチシナ東部をフランスに割譲した。その後もフランスは南部征服を進めて1867年コーチシナ西部の支配権を獲得した。ついで中部北部に進出し,アンナン・トンキン地方を抑えて1883年と84年にユエ条約を結んでヴェトナム全土を保護国化した。

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