今市(栃木県)(読み)いまいち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「今市(栃木県)」の意味・わかりやすい解説

今市(栃木県)
いまいち

栃木県中西部にあった旧市名(今市市(し))。現在は日光市(にっこうし)の南東部を占める地域。1954年(昭和29)、今市町落合(おちあい)、豊岡の2村を編入して市制施行。さらに同年篠井(しのい)村の一部、大沢村を編入。2006年(平成18)日光市に合併。旧市域の中心集落は大谷川(だいやがわ)南岸の街村集落今市で、正保(しょうほう)年間(1644~1648)日光街道(国道119号)の宿駅が置かれた後、宿場町として発達し、鬼怒(きぬ)川上流、日光地方、今市扇状地の中心市場町として発展した。今市は大谷川の谷口集落であり、近世から、日光街道のほか、例幣使(れいへいし)街道(国道121号)、会津西街道(国道121号)、日光北街道(国道461号)が通ずる要衝で、現在もJR日光線、東武鉄道日光線・鬼怒川線が通じ、日光宇都宮道路の今市、土沢(どさわ)、大沢インターチェンジが設置されるなど交通の要地である。このため日光、鬼怒川、川治(かわじ)温泉など観光地の発展を背景に、それら観光地への物資の供給地としての役割を果たしている。また、県内有数の木材集散地として木材の一次加工や家具、建具線香など林産関係の工業や食品加工業が盛んで、近年では化学、電気機械工業の伸長がみられる。市街地に報徳二宮神社(ほうとくにのみやじんじゃ)(二宮尊徳死去の地)や報徳文庫があり、日光街道のスギ並木は「日光杉並木街道」として特別史跡・特別天然記念物に指定されている。北部の山岳地帯は日光国立公園に含まれ、大笹(おおざさ)牧場もある。

[櫻井明久]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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