九斗村(読み)くとむら

日本歴史地名大系 「九斗村」の解説

九斗村
くとむら

[現在地名]香住町九斗

無南垣むながい村の南に位置し、集落は北流する佐津さづ川の左岸に形成される。同川の対岸南東は米地めじ村。弘治三年(一五五七)の「但馬国にしかた日記」に「くと村」とあり、当地には「ようめい寺」「志やう明寺」などの寺院があった。文禄四年(一五九五)出石いずし(現出石町)城主小出吉政(のち出石藩主)の所領となる。元禄九年(一六九六)出石藩小出家は無嗣絶家となり、同藩領はいったん収公されたが、翌一〇年松平(藤井)忠周が武蔵国岩槻いわつき(現埼玉県岩槻市)から移って出石藩主に就任すると、再度出石藩領となった。天保七年(一八三六)いわゆる仙石騒動で同藩が減封に処せられた際、当村はいったん幕府領に移るが、嘉永四年(一八五一)同藩領の村付が一部改替された折に出石藩領に復し、以後は同領で幕末に至ったと考えられる(「小出氏系譜」山田家文書、慶長一八年「小出吉英所領目録」金井文書、寛永一六年知高帳・「寛文朱印留」・元禄郷帳、宝永三年「仙石政明知行目録」仙石家文書、「御用部屋日記」・「寛政重修諸家譜」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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