下新河岸(読み)しもしんがし

日本歴史地名大系 「下新河岸」の解説

下新河岸
しもしんがし

[現在地名]川越市下新河岸

上新河岸の南、新河岸川西岸の低地に立地。寛永一五年(一六三八)仙波東照宮の再建資材を運ぶために新河岸川舟運を利用した際、荷揚場として開かれ、慶安四年(一六五一)に上・下の新河岸に分れて取立てられたという(安永五年「下新河岸由緒書上」斎藤理一家文書)。「風土記稿」によれば、慶安元年の検地帳に新河岸とみえるとあり、その後上・下に分村したとみられる。元禄一五年(一七〇二)の河越御領分明細記では高一七石余・外高三七石余、幕末まで川越藩領。秋元家時代郷帳では反別畑一三町余、並木一ヵ所がある。「風土記稿」によれば家数一五、村内をすな村を経て扇町屋おうぎまちや(現入間市)へ向かう道が東西に通り、新河岸川には新河岸橋(現旭橋)が架かっていた。慶応三年(一八六七)の下新河岸絵図(斎藤理一家蔵)によれば、上新河岸境から寺尾てらお村境まで一町、新河岸川を隔てて牛子うしこ村境から砂村境まで二町、丁字路の北側と南北道沿いに家並があり、交点に高札場があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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