上尾庄次郎(読み)うえおしょうじろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上尾庄次郎」の意味・わかりやすい解説

上尾庄次郎
うえおしょうじろう
(1909―1988)

薬学者。京都の薬業家に生まれる。東京帝国大学卒業。近藤平三郎の指導を受け、ヒガンバナアルカロイドリコリンの化学構造の研究薬学博士となる。京都帝国大学助教授を経て大阪大学教授、京都大学教授。その間、機器分析のきわめて困難な時代にヒガンバナアルカロイドの本質解明を追究し、化学的分解と分解物の合成によって構造を確実に証明した。この研究により1970年(昭和45)日本学士院賞を受けた。さらに未解決のビャクブイチイオコテンシン、セルペンチニンなどのアルカロイドおよびアビエスラクトン、エンメインほかの非アルカロイドの研究を完成した。京都大学名誉教授。県立静岡薬科大学長(現、静岡県立大学薬学部)、同名誉教授。日本薬学会会頭、同名誉会員。

[根本曽代子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「上尾庄次郎」の解説

上尾庄次郎 うえお-しょうじろう

1909-1988 昭和時代の薬学者。
明治42年9月20日生まれ。阪大教授をへて京大教授となり,昭和39年薬学部長。のち県立静岡薬大学長。日本薬学会会頭。45年ヒガンバナの有毒塩基成分の化学的研究で学士院賞。昭和63年6月26日死去。78歳。京都出身。東京帝大卒。著作に「有機合成反応」など。

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