三尾郷(読み)みおごう

日本歴史地名大系 「三尾郷」の解説

三尾郷
みおごう

和名抄」は諸本とも「美乎」(ミヲ)と訓ずる。郷名は他の古代文献所見がないが、地名としてのミヲは文献に頻出する。「釈日本紀」の引用する「上宮記」の「一云」には継体天皇の父斯王(彦主人王)は「弥乎国高嶋宮」、「日本書紀」継体天皇即位前紀では「高嶋郡の三尾の別業」にいたという。三尾駅(「延喜式」兵部省)三尾城(「日本書紀」天武天皇元年七月二二日条)も設けられているように、湖西経由で北陸道に向かう道の、比良山系と琵琶湖が最も狭く隘路となる要衝の地であった。三尾崎(「続日本紀」天平宝字八年九月一八日条)、水尾崎(「万葉集」巻九)という表現はこうした立地条件から生じたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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