万寿新田(読み)まんじゆしんでん

日本歴史地名大系 「万寿新田」の解説

万寿新田
まんじゆしんでん

[現在地名]海津町万寿新田

七右衛門しちえもん新田の南にあり、揖斐いび川と大江おおえ川などの合流域に立地。福江ふくえ村の枝郷。享保年間(一七一六―三六)高須たかす輪中の悪水を集める満中まんじゆ池を開発してできた新田で、村名もこれにちなむ。県立歴史資料館蔵の満中池開発関係文書によれば、開発経過などは以下のとおり。

満中池は宝永元年(一七〇四)公儀池浚えをしたが、満潮時の揖斐川河口からの逆流や上流筋からの土砂流入で池床が高くなり、近くの本阿弥ほんなみ輪中などは輪中堤内の田地が池の水面より低いため、毎年の立毛検見を船で行うほどであった。享保五年尾張海東かいとう宇治うじ(現愛知県津島市)の林平は郡内の町人らを金主として普請費二千四五三両余を投じて池の開発を計画、田地五一町歩を見込んだ。これより先、同三年に本阿弥新田など六ヵ村が池の新田化を出願していたが、高須輪中など五九ヵ村の反対にあい、保留の状態であった。しかし町人請の工事が進捗しない同七年に本阿弥など一五ヵ村が再願、許された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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