精選版 日本国語大辞典 「一重・単」の意味・読み・例文・類語
ひと‐え ‥へ【一重・単】
〘名〙
① そのものだけで、重なっていないこと。また、そのもの。ひとひら。一枚。
② 花弁が一枚ずつになっていて、重ならないこと。単弁。
※源氏(1001‐14頃)幻「ほかの花は、ひとへ散りて、八重さく花ざくら、さかり過ぎて」
※蜻蛉(974頃)下「ひとへの袖あまたたびひきいでつつ」
④ (形動) まじりけのないこと。純粋であること。そのことに専心すること。また、そのさま。ひたすら。→ひとえに。
⑤ (副詞的に用いて) 程度が一段と進むさま。いっそう。ひとしお。多く、「今ひとえ」の形で用いられる。
※源氏(1001‐14頃)明石「げに、今ひとへ、しのばれ給ふべきことを添ふる形見なめり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報