偏に(読み)ひとえに

精選版 日本国語大辞典 「偏に」の意味・読み・例文・類語

ひとえ‐に ひとへ‥【偏に】

〘副〙 (「一重に」の意)
① もっぱらその行為に徹するさまを表わす語。いちずに。ひたすらに。
※石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六「片(ヒトヘニ)少の教を聴きて、微少の因を修す
② もっぱらその状態であるさまを表わす語。また、理由原因などがそれに尽きることを表わす。まったく。「就職できたのもひとえに先生のおかげです」
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)宿木「この寝殿を御覧ずるにつけて御心、動きおはしますらん、ひとへにたいだいしき事なり」

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デジタル大辞泉 「偏に」の意味・読み・例文・類語

ひとえ‐に〔ひとへ‐〕【偏に】

[副]名詞一重ひとえ」+格助詞「」から》
ただそのことだけをするさま。いちずに。ひたすら。「御贔屓ごひいきのほどを偏にお願い申し上げます」
原因・理由・条件などが、それに尽きるさま。もっぱら。「成功は偏に君の尽力による」
[類語](1主として主に専ら一に本当ひたすらいちずひたむき一筋ただただ専一一心一念一路一散一目散一直線一本槍一点張り一辺倒一意専心営営せっせ遮二無二無二無三がむしゃら一心不乱脇目も振らずまっしぐらしゃかりきしゃにむに無心粉骨砕身無我夢中熱中夢中直線的専心専念没入没頭没我傾注傾倒猪突猛進ストレート我を忘れるこんを詰める身を入れる身を砕く心血を注ぐ/(2げに本当にまことにじつしんまったくまさにまさしくせつげんほとほとすっかりつくづくうんざりまったく以てまったくの所なんとも実以てげんなりこりごり食傷辟易へきえき閉口まっぴらいい加減果てしない限りない本に真実真個真正正真しょうしん事実実際紛れもない他ならない有りのまま現実そのものしん以てかみ掛けてほんま正真正銘いかにも

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