ロマーニ語(読み)ロマーニご

世界の主要言語がわかる事典 「ロマーニ語」の解説

ロマーニご【ロマーニ語】

インドヨーロッパ語族インド語派に属する言語。ロマーニ(ジプシー)の言語で、ヨーロッパ(とくに東欧)を中心に世界中に分布し、多くの方言に分かれる。話者数は500万人。18世紀末にロマーニ語とサンスクリットに共通する諸特徴が見出されたことから民族の歴史の解明が進み、ロマーニはインド北西部を故郷とするアーリア系の民族で、10~11世紀ごろに西方への移動を開始し、東ヨーロッパからヨーロッパ全域に広がったことが明らかにされた。文法的には、名詞類は2つの性と3つの格、動詞は3つの法と5つの時制をもつ。語彙(ごい)には流浪、定住した地の言葉から多くを取り入れている。ロマーニの国際的な組織づくりも進められているが、標準語、正書法、識字教育などで課題も多い。◇英語でRomanyロマニー語ともいう。

出典 講談社世界の主要言語がわかる事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android