レバノン国民協約(読み)レバノンこくみんきょうやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レバノン国民協約」の意味・わかりやすい解説

レバノン国民協約
レバノンこくみんきょうやく

1943年,レバノンの初代大統領となるマロン派のビシャラ・アルフリと初代首相スンニー派のリヤド・スーフ間で交わされた独立後のレバノンに関する合意。マロン派は外国勢力に依存しないこと,スンニー派はレバノンをアラブイスラム国家の一部にしようとしないこと,レバノンは特別なアイデンティティを保持しながらアラブの顔を持つことなどを取決めた。また,32年フランスの委任統治時代に行われた国勢調査に基づいて,議員比率をキリスト教徒6に対しイスラム教徒5と配分し,大統領をマロン派,首相をスンニー派,国会議長をシーア派から選出するという不文律も作った。

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