日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ルフ(An Rutgers van der Loeff Basenau)
るふ
An Rutgers van der Loeff Basenau
(1910―1990)
オランダの児童文学作家。開拓時代のアメリカの、オレゴンへの幌(ほろ)馬車の旅をした子供たちを描いた『子供のキャラバン』(1949)をはじめ、『なだれ』(1954)、『われらの村がしずむ』(1957)、『みんなの広場』(1962)などを発表。自然の脅威や社会的な問題に直面した人々の心理と行動をたくみにとらえた物語のおもしろさの背後に、反戦・平和への強い願いが込められている。第二次世界大戦後の児童文学を真に世界的なものにした先駆者の一人。1967年オランダ国家賞受賞。
[神宮輝夫]
『朝倉純孝・朝倉澄訳『なだれ』(『少年少女新世界文学全集31 諸国編』所収・1964・講談社)』▽『熊倉美康訳『われらの村がしずむ』(『少年少女新しい世界の文学6』所収・1967・学習研究社)』▽『熊倉美康訳『みんなの広場』(1968・岩波書店)』▽『河原忠彦訳『オーロラの国の子ら』(1970・ポプラ社)』▽『熊倉美康訳『風車小屋の足あと』(1972・学習研究社)』