普及版 字通 の解説
8画
[字訓] つちくれ
[説文解字]
[字形] 象形
六を重ねた形。六は幕舎の象のようである。〔説文〕十三下に「土塊、たるなり」と土塊の相重なる象とするが、陸の金文の字形の従うところによって考えると、土塊の象とはみえない。〔説文〕に(りく)声とし、また「讀みて(ちく)の(ごと)くす。一に曰く、梁(地名)なり」という。〔伝〕に「讀みてのくす」とあり、字形にも声義にも混乱がみられる。は(てつ)部一下に「(きんりく)、地(ちしん)、田中に叢生す」とあって、菌草の類。その籀文(ちゆうぶん)に三を重ねた形があり、陸の籀文の字形もその形に従う。陸は聖所の象、はその施設に関する字。(りよう)字条五下に「越ゆるなり」とあって、凌遅の意があり、聖所を凌轢(りようれき)する意であろう。は陸・字との関連において解すべき字である。陸は聖梯の前に幕舎を連ねる意と考えられる。
[訓義]
1. つちくれ、大きなつちくれ。
2. 幕舎の形、とならぶ形。
[声系]
〔説文〕に声として睦・・陸など四字を収める。陸はと声義の関係があり、(ふ)は神の陟降する聖梯、は幕舎の形とみられ、は聖梯の前に幕舎を列ねる意であろう。その状をという。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報