ヨウ(エウ)・ユウ(イウ)・チュウ(チウ)・うらなう・はかりごと・とう・したがう(漢字)

普及版 字通 の解説


17画

(異体字)
18画

[字音] ヨウ(エウ)・ユウ(イウ)・チュウ(チウ)
[字訓] うらなう・はかりごと・とう・したがう

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
正字はに作り、(よう)声。は祭肉を供えて祈る意で、その祈る語を謠(謡)という。系はそれに加える呪飾の形、その占卜の辞をまたという。〔説文〕十二下に「隨從するなり」とし、〔段注〕に由と同字異文とする説がある。字形からみて占の意とすべく、またその声義は由と異なり、由は(ひさご)の実の油化した形。これを随従の意に用いるのは仮借、〔漢書〕にを自・由・従の意に用いることが多い。占卜によって示される神意に従う意で、字の本義から出ている。金文の〔(ろくはくしゆうき)〕「王(かく)のごとく曰く、よ。(ああ)」のように感動詞に用いるのは、占卜のときの発声に由来するものであろう。また〔師(しえんき)〕に「淮夷(もと)我が(はくほ)の臣なり」のは、由来の意。〔小盂鼎〕に「(しう)(、虜)に(つ)きて厥(そ)の故を(と)ふ」とは問訊の意。往いて「(と)ふ」ことをいう。〔説文〕二下に「は行くに徑に(よ)るなり」と因由・従の意とするが、金文の用例からいえば、の繁文である。

[訓義]
1. うらなう、祭肉を供えて神意をとう、うらないのことば、うらないの書。
2. したがう、占兆にしたがう、よる、みちする、みち、よぎる。
3. と通じ、はかりごと。
4. (よう)と通じ、えだち、ぶえき。
5. 於・于と近く、感動詞、ああ。
6. 憂と近く、うれえる。
7. 籀(ちゆう)と通じ、うらかた。

[古辞書の訓]
名義抄 ヨロコブ・ヨル・ココニ・エタス

[語系]
)・)・謠jiは同声、は祭肉をそなえて祈る意。また占卜することをいう。声の字はその声義をうける。また由・jiu、憂iuは声近く通用し、於ia、于hiuaは感動の際の発声。を感動詞に用いることがある。籀diuも声近く、うらかたのときには、その声でよむ。

[熟語]
使
[下接語]
・吉・啓・爻・象・占・俗・大・発・問

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報