モシリヤ砦跡(読み)モシリヤちゃしあと

国指定史跡ガイド 「モシリヤ砦跡」の解説

モシリヤちゃしあと【モシリヤ砦跡】


北海道釧路市城山にあるアイヌの人々が築いた砦(チャシ)跡。標高18mの丘陵を利用してつくられ、別名の「お供え山」は形が重ね餅に似ていることによる。モシリヤとはアイヌ語で「島のある川」の意味。長径約170m、短径約70mの丘が内郭外郭とに分かれ、内郭の周囲に空堀がめぐり、土塁も築かれている。1751年(寛延4)にトミカラアイノというアイヌによる築造とされ、築造者のわかる道内でも数少ないチャシの一つ。サルシナイ(芦の生えている沢)チャシ、ポロ(大きい)チャシとも呼ばれてきた。その後も一族が利用し、1世紀近くにわたって機能した。1935年(昭和10)に国の史跡に指定された。現在は住宅街の一角にある史跡内への立ち入りは申し出により対応(問い合わせ先は同市埋蔵文化財調査センター)。JR根室本線ほか釧路駅から徒歩約30分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報