ミカエル2世(読み)ミカエルにせい(英語表記)Michael II

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミカエル2世」の意味・わかりやすい解説

ミカエル2世
ミカエルにせい
Michael II

[生]? アモリウム
[没]829.10.
ビザンチン皇帝 (在位 820~829) 。無学の軍人から身を起し将軍となった。聖像破壊主義のレオ5世をハギア・ソフィア大聖堂で暗殺,即位し,アモリア朝を創始。内政上の最大事件にトマスの乱がある。宗教的には聖像崇敬,社会的には弱者救済,民族的にはスラブアルメニアなどの非ギリシア系によった。スラブ系の軍人トマスがイスラムの援助を得て反乱を起し,821年 12月より首都コンスタンチノープルの包囲に入った。これに対して 823年春ブルガリア王オムルタクの援助を得て,トマスの乱を鎮圧,しかし国力は衰退に向った。対外的にはイスラムがクレタ島 (826) ,シチリア島 (827) を占領ビザンチン帝国の地中海東部の制海権は大きくゆらいだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android