マリンバ(英語表記)marimba

翻訳|marimba

デジタル大辞泉 「マリンバ」の意味・読み・例文・類語

マリンバ(marimba)

アフリカ起源木琴一種。音板の下に円筒形の共鳴管を付けたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「マリンバ」の意味・読み・例文・類語

マリンバ

〘名〙 (marimba) 木琴の一種。メキシコ中南米に始まり、音板の下に共鳴管を備えているのが特色。金属製の音板を使用したものもある。ポテカノ。
※汚れた夜(1961)〈石原慎太郎灰色の男「扉を押して入ると甲高いマリンバの音が飛び込んで来る」

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改訂新版 世界大百科事典 「マリンバ」の意味・わかりやすい解説

マリンバ
marimba

旋律打楽器の一種。木琴の一種でアフリカに起源をもつ。材料は音の伝導が速く,振動が長いホンジュラスローズウッドが最適。板振動を応用して調律された長さ19~42.5cm,幅4~6.5cm,厚さ1.8~2.3cm,裏側はアーチ型の音板を枠の上に並べ,各音板の下には金属製または木製の共鳴管が取り付けてある。音域は通常ハから4オクターブ上。特殊なものにはこれより広い音域をもったものもある。桴は先が生ゴム製か毛糸か綿糸で巻いたものを使用する。

 アフリカのモザンビークのチョピchopi族はティンビラtimbilaというマリンバで編成した楽団をもち,マリンバという女神の伝説さえもある。アフリカから中米に広まり,今ではグアテマラやメキシコを代表する楽器となっている。アメリカのディーガンJ.C.DeaganとマッサーClair Omar Musserが今日のようなマリンバに改良し,より洗練されたものにした。マッサーは100人のマリンバ・オーケストラを組織し,1935年にカーネギー・ホールでコンサートを開き,パリをはじめヨーロッパ18都市でも公演,マリンバの普及に貢献した。
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百科事典マイペディア 「マリンバ」の意味・わかりやすい解説

マリンバ

ラテン・アメリカの木琴。アフリカ東部や南部では,木琴や親指ピアノを指す。ラテン・アメリカでは主にアフリカから伝わった瓢箪の共鳴体のついた木琴を指すが,19世紀ブラジルではアフリカ起源の瓢箪の共鳴体のついた親指ピアノをも指し,コロンビアでは気鳴楽器以外のあらゆる旋律楽器を指す。グアテマラでは国民楽器として定着している。ラテン・アメリカの木琴が改良されて,西洋のオーケストラなどで用いられている。
→関連項目バラフォンビブラフォン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリンバ」の意味・わかりやすい解説

マリンバ
まりんば
marimba
malimba

アフリカ系の木琴の総称、およびそれに由来する木琴の一種。アフリカ起源で、ラテンアメリカ、さらにアメリカに持ち込まれて近代的に改良された。語源は、アフリカのバントゥー諸語の複数を示す接頭辞「マ」と「平らな物体」を意味する「リンバ」を組み合わせたものにある。1910年以後アメリカで数々の改良が加えられ、40年代以降、西洋楽器としてジャズや管弦楽で確固たる地位を築いた。ローズウッド製の音板を枠の上に半音階で配列し、各音板の下に金属製または木製の共鳴管を取り付けた形態で、通常C3から上へ約3オクターブの音域をもつ。先端が生ゴム製の2本の桴(ばち)を両手に持って打奏する。なお、アフリカでは摘奏(てきそう)体鳴楽器サンザをこの名称でよぶ地域もある。

[藤田隆則]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリンバ」の意味・わかりやすい解説

マリンバ
marimba

打楽器の一つ。木鍵盤の下に共鳴器をもつ木琴で,フェルトなどの桴 (ばち) で打奏する。低音が豊かで,音色が美しいため独奏用楽器として用いられることが多い。元来アフリカの民俗楽器であったが,黒人奴隷によってアメリカに持込まれ,メキシコ,中南米に普及した。現在一般的なマリンバの音域は,小型でヘ音から3オクターブ,大型はハ音から4オクターブ,極大型でハ音から5オクターブぐらいで,木琴より1オクターブ低い。

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世界大百科事典(旧版)内のマリンバの言及

【アフリカ】より

…これらの弦楽器はハープ系やリラ系が多い。アフリカにおいて最も注目されるのは,マリンバ,バランキ,ティンピラなど多くの呼称をもつ旋律楽器の木琴類である。ヒョウタンの共鳴器をつける場合が多い。…

※「マリンバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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