マリアッチ(英語表記)mariachi[スペイン]

デジタル大辞泉 「マリアッチ」の意味・読み・例文・類語

マリアッチ(〈スペイン〉mariachi)

メキシコで生まれた独得編成楽団、およびその音楽。数種のギターバイオリン、それにトランペットが加わるのが標準的な編成。

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精選版 日本国語大辞典 「マリアッチ」の意味・読み・例文・類語

マリアッチ

〘名〙 (mariachi) 二〇世紀初頭からメキシコで発達した、ダンス音楽のための楽団編成。各種ギター、バイオリンにトランペットなどが加わるのが標準的とされる。

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改訂新版 世界大百科事典 「マリアッチ」の意味・わかりやすい解説

マリアッチ
mariachi[スペイン]

メキシコの民俗的ないし大衆的な楽団。バイオリン,ギター,ビウェラ(小型ギターの一種),ギタロン(低音リズムを受け持つ大型ギター),トランペットにより編成され,随時ほかの楽器が加わることもある。語源についてはフランス語のマリアージュ婚礼)からなまったものとも,インディオ系の言葉ともいうが不詳。メキシコ中部のハリスコ州に興ったといわれ,伝統的なレパートリーには〈ソン・ハリシエンセson jalisciense〉と呼ばれる同地方の民俗的舞曲が多い。1930年代からメキシコ市にも進出し,現在も市内の酒場,ホテル,広場などでさかんに演奏している。音色,奏法に独特なものをもち,メキシコ情緒のシンボルとみなされている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリアッチ」の意味・わかりやすい解説

マリアッチ
まりあっち
mariachi スペイン語

メキシコのアンサンブル(楽団)の一形態。もともとはハリスコ地方の民俗的アンサンブルであったが、現在ではメキシコを代表するポピュラー音楽のアンサンブルになっている。マリアッチという名称は、しばしば婚礼mariage(フランス語)などに呼ばれて演奏していたことに由来するといわれている。現在の標準的な編成は、トランペット2~4、バイオリン3~5、ギター類各種(スパニッシュ・ギター、五弦小型ギターのビウエラ、六弦大型ギターのギタロンなど)3~5である。これに声楽がつくことも多い。トランペットの輝かしい音色、バイオリンの奏でる甘美な旋律、ギター類の刻む細かいリズムに特色がある。

[田井竜一]

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百科事典マイペディア 「マリアッチ」の意味・わかりやすい解説

マリアッチ

メキシコの民俗的ないし大衆的な楽団。典型的な楽器編成は,バイオリン,ビウエラvihuela(5コースの小型ギター),ハラーナjarana(少し大きい5コースのギター),ハープであるが,20世紀に入ってギタロン(4弦の大型ギター)がハープに取って代わり,トランペットが加えられた。元来,ハリスコ地方の民俗音楽を演奏するための楽団であったが,しだいにこの国のポピュラー音楽の伴奏などにも使用されるようになった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリアッチ」の意味・わかりやすい解説

マリアッチ
mariachi

メキシコ音楽の小編成の楽団。弦楽器のアンサンブルに金管楽器を加えた編成で,昔は婚礼の席や,野外パーティーなどで演奏していたが,のち一般化した。大小のギター類,バイオリン,マンドリン,コントラバス,トランペットなどによる7~12人ぐらいの編成が多い。

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世界大百科事典(旧版)内のマリアッチの言及

【サラッペ】より

…横糸に綿,縦糸に毛を用いて織られ,多彩色の横縞模様で両端に房飾がつけられる。野外の仕事に従事する人の防寒着として使用されるが,マリアッチ音楽の演奏家などが装飾として用いることもある。同じような長方形の織物で襟穴のあるものは,ホロンゴ,ポンチョ,ガバンなどとよばれ,サラッペより一般的で多用される。…

※「マリアッチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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