ホゲット石鍋製作所跡(読み)ほげつといしなべせいさくしよあと

日本歴史地名大系 「ホゲット石鍋製作所跡」の解説

ホゲット石鍋製作所跡
ほげつといしなべせいさくしよあと

[現在地名]大瀬戸町瀬戸羽出川郷 ドンク岩

雪浦ゆきのうら川の上流、標高一二〇メートルの山塊頂部にある古代末より中世末頃までにわたる滑石製石鍋製作の遺跡。国指定史跡。地名のホゲットは穴が開いているという意味で、鉱山関係者では坑道をさす言葉。製作跡は大きくは一一ヵ所のグループに集約され、滑石露頭岩壁や大型転石に石鍋粗型を切出した痕跡がみられる。昭和五三年(一九七八)に実態調査があり、第六製作跡の一部で炉跡を発掘している。製作は対象面に方眼割付けを行って粗型を切出す場合と、自由なデッサンを描いて切出す場合があり、前者は規格品製作で、後者は特注品の折に実施されたことが推察される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報