ペンテコスト島(読み)ペンテコストトウ(英語表記)Pentecost

翻訳|Pentecost

デジタル大辞泉 「ペンテコスト島」の意味・読み・例文・類語

ペンテコスト‐とう〔‐タウ〕【ペンテコスト島】

Pentecost南太平洋ニューヘブリディーズ諸島の島。バヌアツの首都ポートビラがあるエファテ島の北約230キロメートルに位置する。南北に細長い火山島で、最高点標高934メートル。足につるを結び木のやぐらから飛び降りる伝統儀式で知られ、バンジージャンプ原型とされる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ペンテコスト島」の意味・わかりやすい解説

ペンテコスト[島]
Pentecost Island

南西太平洋,バヌアツ共和国を形づくるニューヘブリデス諸島の島。全長61km,最大幅12kmの細長い島で,面積438km2。人口約7000。言語的に北部中部南部と三つの地域に分けられる。南部に行くにしたがって標高が高くなる(最高点は934m)。バヌアツ首相の生地である北部は,バヌアツの中でも最も洗練された地域の一つで,重要人物を輩出している。すべてキリスト教徒で教育レベルが高いが,伝統文化にも強い愛着をもち,中でも豚を殺す儀式は人々の生活での最大の関心事である。中部から南部の西海岸にかけて道路は比較的よく発達しているが,東側は南東貿易風を直接受けて海は常に荒れており,険しい南部の山にさえぎられて孤立している。この南部の東側に頑強にキリスト教を拒み,伝統文化の中で生活しているブンラプ村の人々がいる。彼らは,元来は農耕儀礼である飛降りの儀式によって知られている。村人は高さ20m以上の丸太で組んだ塔をつくり,若者が塔の頂上から地上めがけて飛び降りる。足首には塔の高さより少し短めのつるが結びつけてあり,頭が地上にたたきつけられる直前につるが張り,若者はもんどりうって地面に着地する。男らしさを誇るこの儀式は,ペニスケースグラススカートを身につけた伝統的ないでたちと相まって多く観光客を引きつけているが,儀式を見るには村人に見物料を払わねばならない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペンテコスト島」の意味・わかりやすい解説

ペンテコスト島
ぺんてこすととう
Pentecost

太平洋南西部、メラネシアニュー・ヘブリデス諸島(バヌアツ)中の一火山島。フランス語名パントコートPentecôte島、現地名アラグAragh島。南北61キロメートル、東西12キロメートル、最高点は標高934メートル。面積438平方キロメートル、人口1万3384(1998)。織物、彫刻の民芸品と、木の櫓(やぐら)から飛び降りる成人式の儀礼で知られる。

[大島襄二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペンテコスト島」の意味・わかりやすい解説

ペンテコスト島
ペンテコストとう
Pentecost Island

南太平洋南西部,バヌアツを構成する島の一つ。足を綱で結び高いやぐらの上から地上すれすれへ飛降りるバンジージャンプ (地上ダイビング) で知られる。コプラ,コーヒーを産する。面積 439km2。人口1万 1780 (1987推計) 。

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