百科事典マイペディア の解説 プライマリー・ストラクチャーズ 1966年,ニューヨークのジューイッシュ美術館で開催された彫刻展の名称から始まった用語。〈基本的構造体〉という意味が示すように,大規模・抽象的・単純な形態とアルミニウムやステンレス・スチールなどの工業用金属素材,単純な彩色を特徴とする。従来の彫刻作品のもつ重量感と触覚性を排除し,ミニマル・アートに近い視覚性を彫刻の側から追求した傾向を指す。その先駆となったのはイギリスのカロであるが,アメリカではミニマル・アートのジャッドやカール・アンドレ〔1935-〕らも含まれていた。ただし,一定の拡がりの空間そのものを構造化し,周囲の環境に影響を及ぼす開放性をもっているという点で,求心的なミニマル・アートとは区別される。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 プライマリー・ストラクチャーズprimary structures 現代美術用語。 1960年代の後半にアメリカで生れた現代彫刻の動向。工業用素材と角柱,立方体など幾何学的な基本形体を用いる彫刻をさす。 66年にニューヨークのジューイッシュ美術館で開かれた同名の展覧会が最初。「基本構造」などと訳され,スケールが大きく,彩色されているのが特色。これらの彫刻家の一部はアースワーク,あるいはミニマル・アートへ向ったことで注目される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報