ブルーマー(読み)ぶるーまー(英語表記)bloomer

翻訳|bloomer

精選版 日本国語大辞典 「ブルーマー」の意味・読み・例文・類語

ブルーマー

〘名〙 (bloomers から。アメリカ女性解放運動家ブルーマー夫人にちなむ)⸨ブルマーブルマ⸩ 女性用の腰にはく下着。すそにゴムがはいっている。また、同型女学生のスポーツ用パンツ。〔モダン辞典(1930)〕
細雪(1943‐48)〈谷崎潤一郎〉中「ブルーマー一つの素っ裸になって」

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デジタル大辞泉 「ブルーマー」の意味・読み・例文・類語

ブルーマー(bloomers)

《考案者の米国人ブルーマー夫人の名から》女性・子供用のゆったりした、裾口をゴムで絞った下ばき。また、同形の女子用の運動着。ブルマー。ブルーマーズ
[類語]ズロースパンティーショーツ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルーマー」の意味・わかりやすい解説

ブルーマー
ぶるーまー
bloomer

(1)複数形でブルーマーズbloomers。かつて体操、乗馬サイクリングなどのスポーツを行うとき、婦人がはいたゆったりしたパンツ。膝(ひざ)の上または下のあたりでゴム紐(ひも)で締めた。また同様の形で、より小さくつくられた婦人、子供用の下ばきのこともいう。(2)いわゆるブルーマー服のこと。トルコ風の緩やかな長ズボンで、足首のあたりでギャザーを寄せた婦人用のズボン。もともと1848年、アメリカのミラー夫人によって始められ、さらにアメリア・ブルーマー夫人Amelia Jenks Bloomer(1818―94)によって普及が試みられたところからこの名がある。当時は女性解放運動が起こっており、婦人用ドレスの常識であったフル・レングス(足首または床までの丈)のスカートと、フープペチコートを廃し、膝丈の短いスカートを着用しようという動きがあった。この短い丈のスカートと組み合わせるために考案されたのがブルーマーである。しかし、当初ニューヨークでは受け入れられず、1851年ロンドンで発表するに及んで、大きな反響をよんだ。

[菅生ふさ代]

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改訂新版 世界大百科事典 「ブルーマー」の意味・わかりやすい解説

ブルーマー
Amelia Jenks Bloomer
生没年:1818-94

アメリカの,禁酒,女性の権利についての運動家。1849年,セネカ・フォールズ禁酒運動のための新聞《リリー》を発行し,女性の権利に関する記事も掲載した。同紙が50-51年の冬,女性解放運動家E.C.スタントンらが新しく着用したパンタロン風の服装を紹介したところ注目を集め,新しい服装は〈ブルーマーズ〉と呼ばれるようになった。彼女自身も他の女性運動家同様これを着用したが,特異な服装のために女性の権利に関する議論が中心から外れることを恐れ,7~8年でやめた。
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世界大百科事典(旧版)内のブルーマーの言及

【改良服】より

…洋服が日常着として一般化したことから,改良の主目的が解消されたといえよう。 西欧では,1890年代にサン・シモン主義の影響をうけたアメリカのアメリア・ブルーマー夫人らが,コルセットなどで締めつけた婦人服を,主として健康上の理由から批判し,労働にも不適当だとして改良運動を起こした。その後,改良服はイギリス,オランダなどに普及し,オランダでは〈婦人服改良協会〉が設立された。…

【ブルーマーズ】より

…綿,毛織物で作られる。19世紀半ば,アメリカで婦人服改良を提唱したA.J.ブルーマーが,彼女の新聞《リリー》で紹介して着用をすすめたところから,この名で呼ばれるようになった。もともとはミラーElizabeth Smith Millerによって1850年に考案されたもので,足首で絞ったトルコ風ズボンを,ジャケットと短いスカートに組み合わせて着用した。…

※「ブルーマー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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