日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブリアン(Emil František Burian)
ぶりあん
Emil František Burian
(1904―1959)
チェコスロバキアの演出家、作曲家。ピルゼンに生まれる。プラハの音楽学校で作曲を学び、演劇活動も熱心に行う。作曲家としては、1925年国立劇場上演のオペラ『日の出前』でデビュー、仲間と「デベエット・シール」を結成、『ボイス・バンド』演奏によってヨーロッパで有名になる。解放劇場、ブルノー劇場、国立劇場を経て、34年プラハで劇団「D34」を創設、以来チェコ・アバンギャルド演劇の推進者として世界の注目を浴びた。第二次世界大戦中はナチズムに抵抗し収容所に入る。戦後、社会主義社会建設の過程で、音楽、舞踊、美術の要素を総合した詩的で民族的な演劇空間をつくった。
[村井志摩子]