フリント(岩石)(読み)ふりんと(英語表記)flint

翻訳|flint

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリント(岩石)」の意味・わかりやすい解説

フリント(岩石)
ふりんと
flint

珪(けい)質堆積(たいせき)岩チャートの一種。硬く、鋼鉄片と打ち合わせると火花が出るため、燧石(ひうちいし)あるいは火打石ともいわれる。白色または灰色から黒色を呈し、割ると貝殻状の断口を示す。玉髄や潜晶質石英からなるきわめて緻密(ちみつ)で硬い岩石。チョーク石灰岩、あるいは珪藻土(けいそうど)の中に団塊として産するが、レンズ状あるいは不規則な塊状のこともある。珪質海綿の骨針のような生物源シリカ(二酸化ケイ素)の溶解沈殿によって形成されたと考えられるものもあり、海綿の骨針や放散虫あるいは珪化した有孔虫などの化石を含んでいることがある。石器時代に用いられた石器のなかには、フリントを利用したものがある。

[斎藤靖二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android