日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
パッフ(Phillip Pfaff)
ぱっふ
Phillip Pfaff
(1711―1766)
ドイツの歯科医学者。プロイセンのフリードリヒ大王(在位1740~1786)の歯科侍医であった。その著書『人の歯とその疾患論』Abhandlung den Zähnen des menschlichen Körpers und deren Krankheitenは1756年に出版され、解剖・生理・病理・治療・歯科補綴(ほてつ)法のすべてを記載し、ドイツの歯科医学の発達に大きく貢献した。歯髄を保護するいわゆる直接覆髄法を創案した。また、ろうで印象採得を行い、石膏(せっこう)を注入して模型をつくることを考案し、歯科補綴学に新しい分野を開拓した。ドイツにおける近世歯科医学の鼻祖として尊敬されている。
[本間邦則]
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